映画「NOPE/ノープ」感想
この記事にはネタバレが含まれます。
今更ながら映画の「NOPE/ノープ」を見た。なんとなく一部界隈で話題になっているなと思いつつ特にネタバレには遭遇せずに見れたのは幸いだったかも。
この映画は2022年の映画なんだけど、なんというか今だとあんまりなさそうな正体不明の未知の存在から狙われているじわじわとした恐怖の演出がとても丁寧だった。ホラーはなんか昔から避けてたけどこういうホラー演出は好きかも。見たことないんだけどジョーズとかもこういう感じなのかな。
最初は牧場に空から急に金属片が落ちてくる不可解な事故から始まるんだけど、その事故で死んだ牧場主の息子OJとその妹のエメラルドがその原因は事故ではなくUFOのような巨大な物体なんじゃないかと気が付く。父親が無くなり馬を売らざるを得ない状況だが、そのUFOをカメラに収めて報奨金を貰えば馬を買い戻せるんじゃないかと考えるが……みたいな導入。
結局正体が判明したら空飛ぶエイのような口をもつ巨大で平たい怪物だったんだけど、そっからはなんか若干西部劇みたいになる。正体が判明してからの最終盤はなんかちょっとチープになっちゃったな。最後まで人類には抵抗できないどうしようもない存在でいてほしかったけど。でも未知の存在に対する恐怖の演出が本当に丁寧でよかった。
今作にも「ウォーキングデッド」や「ミッキー17」でも出ていたスティーヴン・ユァンが出演しているんだけど、彼は未知の存在とも分かり合えると考えているタイプの人として出てくる(結局食べられて死んじゃうけど)。
最初の謎の血まみれのチンパンジーが一体何なんだろうって感じだったけど、怒り狂って番組で出演者たちに暴行をふるったチンパンジーが射殺される前にちょっとだけ心が通じ合った思い出が消えていなかったということらしい。なのできっと怪物とも分かり合えると勘違いしてしまった。
今作の一番の恐怖ポイントは空の怪物と目が合うってことな気がする。大きい音を流すとやってきて、空を見上げて目が合うと襲ってくる。
いろんな演出で空から見られている、じっとみることはできないけどきっと今自分の上にあいつがいるみたいな表現がじわじわとした恐怖の表現としてよかった。まあ正体が完全に判明しちゃったあとはただのモンスターパニックみたいになってしまったから最後までわからないままでも良かったんじゃないかなと思うんだけどどうなんだろう。
まあ終盤までのいろんな演出はよかったので総合的には面白かった。
追記:他の人の感想を読んでいたら、これは「Black Lives Matter」のメタファーなんだよ、黒人が白人警察と目を合わせたら因縁をつけられるのと一緒なんだよという話を見かけた。
まあ確かにBLMが特に盛り上がったのが2020年の事件の時期だったので、社会風刺として2022年のこの映画のモチーフになっているのはそうなのかもしれない。今作の登場人物たちが「映像に残すことで恐怖に対峙する」っていうのもBLMの運動と絡めて考えると理解しやすい。
まあでも社会風刺という側面だけでみちゃうのはちょっと画一的過ぎて面白くないので、そういう見方もできるというだけでいいかな。