映画の「8番出口」感想
この記事にはネタバレが含まれます。
話題になっていた映画の「8番出口」を見た。
あのシンプルなゲームをどうやって映画にするんだろうとおもってたけど、ループ構造と人間の迷いをリンクさせるという上手い調理の仕方だった。
そもそも8番出口のループに迷い込む前から、うだつが上がらない繰り返しの日常自体がループみたいなもので、むしろ主人公はループを通していく中で自分自身を見つめなおして迷いを振り切る(そして8番出口からも脱出する)という内容だった。これだけ書くとシンプルだけど構成が上手かったね。
とはいえ迷いから抜け出せないまま8番出口に閉じ込められてしまった側の人も描写しており、それが歩く人(毎ループ前から歩いてくるおじさん)として語られるという構造も面白かった。おじさんはただの怪異じゃなくてもとは人間だったのね……。
おじさんは途中であからさまな出口の罠の誘惑を振り切れずに進んでしまって、その後はわからないけどおそらく絶望してなのか怪異と化してしまった。ループ≒迷いというリンクで考えると迷いの中でわかりやすい救いに縋ってそのまま沼に沈んでしまった人のメタファーともいえるのかもしれない。
途中の少年はおそらく父親からDVで人間不信になってしまって8番出口に迷い込んでしまったが、主人公との信頼関係の構築によって人間への信用を回復したのかな(そして脱出できた)という感じに見える。
おじさんのときの怪異の女子高生は特に語られてないのでキャラクターとしては謎。おじさんの何かしらの迷いのメタファーなのかも。
ホラー映画というくくりではあったがホラー要素はそんなでもなかった。途中のネズミみたいなのが苦手な人がいそうだけど、ちょっとあそこだけちょっとCGがチープな感じがあってあれかも。全体的に父親になることや赤ちゃんへの恐怖のメタファーが多かったのでそれらの一部なのかもわからん。
普段邦画はあまりみないのだけど8番出口はすっきりと見れた。ちょっと邦画ありがちな声が小さいのだけあれだけど全体としては面白かった。