業務改善活動における「とりあえずやってみる」の悪性
会社での業務改善活動において「とりあえずやってみる」「なんでもいいからまずやってみないと分からないじゃん」と行動こそが善であるみたいな話をされることがある。
一見正しそうにも聞こえるが個人的にはこの考え方が嫌いだ。仮説検証やらPoC(Proof of Concept、概念実証)やらもうちょっとそれっぽい名前に言い換えもできるが、調査・分析がまともに行われていないのに当てずっぽうでなんからの実装に入るみたいなケースが多くて嫌になる。
そもそも「問題が何か」という問いを立てる・分析をすることを軽視している。
問いがなにかまともに分かっていないのに解決手段の話をしても仕方がないのだ。それっぽい解決手段をでっちあげたあとに、その手段で解決できる問いを改めて探すという羽目になりかねない。(昔から言う「目的と手段の逆転」とも言えるかもしれない)
最近はAIの文脈でこの話になりがちだ。
「AIがなんかすごいらしい」→「AIを使って業務を改善しよう」。まあわかるはわかるんだけども、そもそも業務分析すらまともに行えていない状況ではやってもやらなくても大して変わらないような自動化を作らされて、作った物の利用統計を見たらさっぱり使われてなかったりする。意味がない。
で、ちゃんと分析しようとするとそもそもプロセスがまったく整理されてなかったりする。歴史的経緯がてんこ盛りのへんてこなワークフローと承認プロセス。標準化されておらずみんな思い思いに過去事例を参考にコピペを重ねている資料たち。AI以前の問題だ。
標準化みたいな作業は各所との調整が必要でたいへんめんどくさい。システムを作れば解決という単純な話まで持っていくのにかなりの時間がかかる。コーディングがAIによって解決したとしてもシステムエンジニアの仕事がなくならないといわれるのはこのせいだ。
とりあえずやってみる前にちゃんと問題を直視しろという話である。泥臭い現実が待っているがやるしかない。