リミナルスペースにモンスターを出すな

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バックルーム(The Backrooms)が流行ってからリミナルスペースというのが一大ジャンルとなっている。2019年発のミームだからもうけっこうたったけど。

The BackroomsThe Backrooms(バックルーム)は、英語圏の匿名掲示板「4chan」に投稿されたクリーピーパスタに由来するインターネット都市伝説である。Wikipedia

バックルームといえばこんな感じの黄色い部屋が代表的だけど、リミナルスペースはこういう無機質で人工的でありながらもどこか人間的ではない不気味さがある空間のことをいうらしい。

黄色い壁紙と蛍光灯が続く、人のいない廊下

Model by Huuxloc - https://sketchfab.com/3d-models/backrooms-another-level-429f3c9ea8024f5e9bb78f6649c7bd26, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128609822による

なんだか映画にもゲームにもなったりとリミナルスペース自体も認知度がだいぶ高くなっている。まあ素材はシンプルで制作コスト的にも3Dゲームと相性がいいだろうし、SCP的でもあるし、シュルレアリスムみたいな奇妙な空気感を出しやすいしで、まあリミナルスペース自体は題材として扱いやすいんだろう。擦られすぎてつまらないアートの代表例みたいな感じになってるけどもともとそういうもんだったし。

個人的にバックルーム系列で気に入らないのはアート性ではなく安易にモンスターを出してしまったことだ。最初のミームになった動画でエンティティみたいなのを出してしまったのがなんというか残念。まあ発想としてはわかるけども。

せっかく「人工的だけどあきらかに人間でないなにかが空間を作っている不気味さ」というところがホラーとして成立しているのに、そこに安直にわかりやすいモンスターが出てしまうと台無しすぎる。

例えばクトゥルフ神話とかみたいな未知の物に対する恐怖とか、なにかわからないけど日常が侵食されている恐怖とかのじわじわ系ホラーなのに、モンスターとかそれを倒せる重火器とかがでてきたらもうジャンルが変わってしまう。バイオハザードはアクションゲームではあるがホラーではないみたいな。

というところでリミナルスペースという美学的なところは評価できるものの、バックルームというミームはだいぶつまんねーと思っている。個人的にモンスターみたいな生き物が存在するということはそこに生態系の気配がでてしまうので、なんか化け物はいるけど別に地球の理から大きく外れた場所って感じではないなと。モンスターをフューチャーするならあんまりリミナルスペースは適切な舞台じゃない感じもあるし。

まあそれはそれとして「リミナルスペース 新しい恐怖の美学」という本は買った。

『リミナルスペース 新しい恐怖の美学』特設サイト動く出版社 フィルムアート社

好きか嫌いかは別としてそういう表現についてはちゃんと知らないといけないとは思っていたのでちょうどいい感じの本ではあった。

Max Cooper - Repetition (Official Video By Kevin McGloughlin)Max CooperYouTube

そういえばMax Cooperとかは割とMVに繰り返しの表現使うけど、だいぶリミナルスペースっぽい感じはある。ただ人間の存在を排除してないのであんまりリミナルスペースの空虚さみたいなのはないな。

ロシア構成主義ともちょっと違う? 幾何学的抽象みたいな人間性を排除した感じは結構近い感じはあるけど。